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速水奏とKiss

さて、アイドルマスターシンデレラガールズをプレイしたことのある人にとって、モバマス(Mobageアイドルマスターシンデレラガールズ)、あるいはデレステ(アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ)での速水奏と聞くとどんな印象があるだろうか。

「高校生とは思えない大人びたアイドル」
「妙に難しい言葉や言い回しを使って煙にまくような言動をするアイドル」
「ショートカットのクール系美人」
「若干言動が蒼い」
「色んなアイドルの相談役になりがち」

等々あるだろうが、よく知らない人が一番最初にまず思うのは「とりあえずなんか"キス"をやたら強調してくるアイドル」だと思う。

モバマスの一番最初に出たRカードでも、「キスしてくれたら(アイドルに)なってもいいよ」などという台詞を言っているし、デレステのエピソードコミュでも同様の台詞がある。
その後もことあるごとに台詞の端々にキスが出てくるしソロ曲HotelMoonsideでは「1,2,kiss,kiss」というキメ台詞まである。アイドルがPに対してそれで大丈夫かと思う人もいるかもしれない。少なくとも私は最初びっくりした

なぜ彼女が敢えて"キス"という単語を使いたがるのかを考えてみた。
ここから先は私の考察という名の妄想だったりするのだが、速水奏は「大人びて余裕のある女性」の象徴として"キス"をキーワードにしているのではないだろうか。
彼女は外見からして大人っぽく、制服を着ていてもOLに間違えられることがある。その外見に合わせて、『速水奏』を演出する1つの鍵が"キス"なのではないかと思う。もともと本人の性格自体も、女子高生の割には相当大人びていて、どこか世を悟ったような言動をすることが多々ある。そこにスパイスとして"キス"を組み込むことで『速水奏』という存在をより完成させようとしているのではないだろうか。

彼女の冗談を含む煽りあるいはからかいは、あくまでも"キス"までで、それ以上のあれこれを内包する気配は一切無い。
これは、女子高生が大人の女性の余裕を纏うための仮面として、"キス"というワードは下品になりすぎず、ちょっとだけ危うさや魔性を感じるぎりぎりの単語だからだと私は思う。
ここまで計算して『速水奏』という彼女は、末恐ろしくもあり、美しくもある。

当然実際に実行しようとすることはない(アイドルとして当たり前とも言えるが)。
むしろ、実際にキスをしたことやそういう状況になったことは無いのではないかという描写がある。
例えば、彼女の初ソロCDで聞くことのできるボイスドラマでは、「うっかり本当に際どい距離まで近づいてしまった※1ことに狼狽え誤魔化して逃げる速水奏」を聞くことができる。

高校生とは思えないほど大人びた彼女、余裕のある態度でキスを煽ってくる彼女は、本当にそれが可能な距離になってしまうと狼狽えるような普通の少女の一面を持っているのである。はぁ可愛い。

※1 これはいつものようにキスでPを煽っていたところ、つまづいて転びかけてしまいPが慌てて支えたという状況である。つまりそのくらいの距離感。