My Favorite Things

ただただ好きなものを好きなだけ語っている

アイドル『速水奏』

この記事ではモバマスならびにデレステ中の台詞を多数引用していく。ネタバレをいくつか含みますのでご注意を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女の台詞の中には「私は『速水奏』を演じる」という意図のものがいくつかある。
「選ばれたのなら、この舞台で、この歌で、私は速水奏を演じるわ」(モバマス:セレクテッド 速水奏+)
「偶像でも器でも、演じるから」(デレステ:エンドレスナイト 速水奏+)
彼女にとって、アイドル『速水奏』は、ファンの求める偶像であり、選ばれてステージに立つのであればそれを完璧に演じてみせる、という価値観が伺える。


この考え方には賛否両論あろうが、私はこれをとても美しい在り方だと感じ、同時に危うさも感じる。これが言うだけ、あるいは目標ならともかく、彼女は自分を演じることが物凄く上手い。さらに、相手が求めることを即座に把握し、その場その場で自分の役割をこなすこともできる。素の速水奏は完璧な人間ではないにも関わらず、ファンの求める完璧なアイドルとしての自分を魅せることができてしまうのだ。
「ステージに立つと、緊張で震えるわ。でもそれはアイドルじゃない私。アイドル速水奏は、期待に胸を震わせるの」(モバマス:CDデビュー 速水奏+)
この台詞が最も端的に表しているだろう。なんと美しく、危うく、目が離せないことか。ほんとそういうとこだぞ君は。

「見下ろす私も、誰かに求められた、偶像の私。そもそも、本物なんて存在するのかしらね」(デレステ:ミスティック・ドーン 速水奏+)
またそういうことを言う…『本当の自分』なんてものが存在するのか、そもそも曖昧であるがゆえにそこに答えなどはなく、哲学の領域に踏み込んでしまう。
しかもその上で、

「でもいいの。いまの私は、それをいいと言える。だって、こうしてここに立つ自分を、誇りに思えるから」と続く。

あるいは、

「自分を偽って、誰かに従っても、輝きは隠せない」

(モバマス:セレクテッド 速水奏+)などと言うのである。自分の輝きや美しさに一定の自負を持ち、魅せているものが本当の自分かどうかはわからずとも、それで良いと言うことができる子でもあるのだ。そうだよその通りだよどれだけ演じようと根本的に君は美しいんだよ!(Pの心の叫び)

速水奏は彼女がアイドルでいる以上、『速水奏』を演じ続けるのだ。それを悲しいという人がいたとしても、本人はそうやって輝きを燃やしている自分のことをそれなりに気に入っているのだろう。

そんなアイドル『速水奏』は女神すらも目標にしてしまう貪欲さを持つ。
「超えられるかしら。大神と海神に言い寄られた、絶世の女神の美貌…」(デレステ:エンド・オブ・ザ・ブルー 速水奏+)
これはギリシャ神話でゼウスとポセイドンの2神に妻にと望まれた海の女神テティスの事だ。中々に不遜かつ大胆な発言であるが、彼女がいうと雰囲気で美しく聞こえてしまうところがまた、良い。大人びていて余裕があるように見えて、ところどころで中々に強欲な発言をしてくるあたりが秘めた情熱をも感じられて大変素晴らしい。あとそんな例えが咄嗟に出てくるあたり教養の深さを感じられる。 

 

そんな彼女だが、アイドル『速水奏』でないときは普通の女子高生だ。
…ということで、次のタイトルは「女子高生の速水奏(仮)」です。お楽しみに。